公演・アーカイブ配信は終了いたしました
ご観劇・ご支援いただき、誠にありがとうございました。

井上ひさし作
父と暮せば
オーガニックシアター リアクション研究所
音響家・山田健之さん追悼公演
~アクティブ・リーディング~
公演について
井上ひさし作・父と暮せば
今回公演【井上ひさし作・父と暮せば】は、本年6月28日に音響:山田健之さん、
演出:ナガノユキノさん・青沼かづまさん…で、上演予定でした。
コロナ禍により、止む無く上演中止。
その事を山田さんに電話でお伝えして、元気なお声を聴かせていただいたのが、5月半ば過ぎ。
それから間も無くして、突如、山田さんは旅立ちました。6月3日ご逝去。
現下も我々演劇人にとりましては、まさに「未知との遭遇」の日々です。
そんな中、山田さんご遺族の了解を頂き、山田さん音響プランの元に、追悼の意を込めて、
今、此処に【井上ひさし作・父と暮せば】を、世に問うてみたいと思います。
劇中、父親が娘に贈る言葉「わしの分まで、生きてちょんだいよ。」
これは、山田健之さんが、私達一人ひとりに宛てた言葉。
今、上演する「必然」「切実」は、きっとあるはずだ。
そう確信しております。

公演日時
劇場公演
日時
2020年
10月23日(金) 19時開演
10月24日(土) 15時開演(※)
10月25日(日) 12時開演・16時開演
※10月24日公演終了後、アフターイベント「山田健之オンステージ♪ ~何、オレ追悼されるの?」開催。
10月24日15時の回ご観劇のお客様限定
・各回とも、開場は開演時間の30分前
・途中休憩あり
・完全予約制。日時指定・全席自由
・全ての回について、定員36名(オメガ東京の定員は96名)
場所 オメガ東京
東京都杉並区上荻2-4-12
料金 3,000円
オンライン配信
ライブ配信日時
2020年10月25日(日)
15:50開始
料金
2,000円
キャスト・スタッフ紹介

ナガノ ユキノ
演出
1955年、東京駒込に生まれる。
中学生の時、家計を助けたいと芸能界に進むが、19歳のとき演出家サミー・ベイス氏と出会い、演出をめざし渡米。現在、子育て、介護の時を経て、劇作にも挑戦している。

蓮池 龍三
福吉竹造 役
株式会社ぷろだくしょんバオバブ

辻村 夏穂
福吉美津江 役
フリー
●作 井上ひさし
●製作 辰巳次郎・ナガノユキノ・蓮池龍三
●製作協力 古谷高子
●演出 ナガノユキノ
●出演 辻村夏穂・蓮池龍三・青沼かづま
●舞台監督 辰巳次郎
●照明 白土真平
●照明操作 小泉和子
●音響 山田健之
●音響操作 實裕あかね
●企画協力 福迫由紀
●企画・制作 蓮池龍三

ご観劇方法
コロナ禍での上演にあたり、3種類のご観劇方法をご用意いたしました
劇場でのご観劇
劇場で、俳優・スタッフ・お客様と同じ空間を共有したいという方・劇場に来られる方は、ぜひ、オメガ東京でご観劇ください。
ライブ配信
10月25日16時開演の公演をYouTubeで
ライブ(リアルタイム)配信します。
劇場に行くのは抵抗があるけれど、生中継で観たい…という方は、ライブ配信でご観劇ください。
アーカイブ配信
10月25日の公演を録画したものをYouTubeで配信します。
劇場でのご観劇が難しい方・10月25日16時のライブ配信をご覧いただけない方は、アーカイブ配信でご観劇ください。
コロナ対策について
●お客様へのお願い
○下に該当するお客様のご来場はお控えいただきますよう、お願いいたします
・新型コロナウイルス感染症の疑いがある方、または医師によって行動制限を受けているお客様
・発熱などの風邪症状が見られる方、息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)等の強い症状がある方、またそれに限らず体調の優れないお客様
・ご家族やお勤め先、学校など、ご自身の身近に新型コロナウイルス感染症に感染した方、またはその可能性のある方がいらっしゃるお客様
・入管法に基づく入国制限の対象となっている地域から日本への入国後14日間経過していないお客様
○ご来場の際は必ずマスクの着用をお願いいたします。また、咳エチケットの励行やこまめな手指の洗浄・消毒をお願いいたします。なお、劇場に消毒液をご用意しておりますので、どうぞご利用くださいませ。
○マスクの着用が難しい方につきましては、事前にご相談いただきますよう、お願いいたします。
○開場前・退館時など劇場内のソーシャルディスタンスの確保に努めますので感染予防および拡散防止にご協力をお願いいたします。なお、退館時は時間差退場にご協力をお願いいたします。
○入場時、非接触体温計で検温をさせて頂きます。37.5度以上のお客様のご入場はお断りいたしますので、予めご了承くださいませ。
○上演中以外でも、劇場内では、身近な距離での会話はお控えくださいますようお願い申し上げます。
○チケット代はお釣り銭のないようご準備ください。
○出演者・関係者へのプレゼント・差し入れはお断りさせていただきます。
○終了後の面会は、大変心苦しいのですが、控えさせていただきます。ご理解・ご協力のほど、お願いいたします。
●わたしたちの取り組み
○座席は十分な間隔をあけて設置しております
○キャスト・スタッフ全員、毎日体温測定を行い、日々体調管理を施しております。
手指洗浄を励行し、スタッフは全員マスクを着用いたします。
○本番開始までに全てのキャスト・スタッフにPCR検査を実施致します。
●ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
音響家・山田健之さん

もう十年以上も前。
団地の集会室で「父と暮せば」の初めての本読みがはじまろうとするとき、
少し困ったようなお顔で、山田さんが「おはよう」と入ってらした。
私は台本を渡し、稽古を始めようとしました。すると、本人曰く、他の劇団の本番と重なっているので、
今日は、仕事を断りに来ました、と、おっしゃったという。
私の記憶は全く定かではないのだが、私は「そうですか。では始めましょう」と本読みを進めたという。
てっきり稽古に来てくださったと思い込んでいたのでしょう。だって、こんな東京の端っこの団地の集会室まで、
わざわざ仕事を断る挨拶をしに来る人がいるなんて、思ってもいなかったのです。
そして、演出の方向など伝え、台本の何か所か示し、ここで何かください、と言ったと思います。
山田さんは「はい」といつものように、メモをなさった。
私はすこぶる音響家の山田さんの感覚を愛していたので、どんなイメージとか伝えたことはなかったのです。
「ここら辺に何か、(音楽)をください」というだけ。
で、まったく私が思っている以上の、私の欲しいものをいつもさがしてくださるから。
それから何年かして、好評のうちに再演を何度か重ねたのち、山田さんは、
「あの時、僕は断りに行ったのに、ユキノさんは無視して本読みをはじめたんだよね」と、おっしゃったのだ。
びっくりした。
私は、何でも自分の都合の良いように物事を解釈する癖を持っていると多少自覚があるが、そこまでとは。
それにしても、あのとき先約の仕事との調整はどうなさったのか。
きっと、ご苦労をおかけしてしまったのでしょうね。
私は毎回上機嫌で、「僕は天才なんだ」という山田さんに、うなづくばかりで、長いこと幸せに仕事をしてきたのでした。山田さん、ほんとうに、ありがとうございました。私は幸せものでした。
でも、これからストレートプレイをやる時はどうしたらよいのでしょうか?
ここに何かください、なんてしか言えない無能な演出家は、狼狽しています。
演出家 ナガノユキノ